彦根 天寧寺五百羅漢、清凉寺、龍胆寺、大洞弁財天

JR彦根駅の東側を見ると、低い山が連なっています。JR琵琶湖線(東海道線)と、東海道新幹線や名神高速が通る旧中山道とを分けている、石田三成の佐和山城があったあたりです。東山公園や東山保育園という名前がありますから、この辺り一帯は東山と呼ばれているのでしょうか。

彦根と言うと、どうしても国宝彦根城や、彦根の城下町が観光地のイメージですが、この山のあたりも実は見どころが多い歴史上重要な場所。でも訪れる人はほとんどなく、とても静かなウォーキングが楽しめます。

一つ注意が必要なのは、彦根城がある彦根駅の西側とは違い、東側には商業施設や飲食店が皆無に近いこと。歩きながらお店を探しても、駅周辺に数えるほどしかないのが現状。ランチを食べるところとか、ちょっと考えておいた方が良いでしょう。

さて、そんな彦根駅の東側を歩いたのは10月30日、山際と言っても紅葉にはまだまだ早い時期でした。

天寧寺五百羅漢

まず訪ねたのは天寧寺。彦根駅を出て、東に向かい徒歩20分くらいでしょうか。山の斜面を少し登って行ったところにあります。

天寧寺
彦根 天寧寺

天寧寺は文政11年(1828)建立の、井伊直中(井伊直弼の父)ゆかりの寺です。直中に仕えていた腰元の不義をとがめて罰したところ、何と相手は自分の息子だったとか。それを悔いて腰元若竹と園子(つまりは自分の孫)を弔うために建立したとか。何ともはや…の理由ではありますが。

天寧寺の見どころは五百羅漢像。その中で一回り大きな像が十六羅漢像です。これだけの数の像が道内に並ぶ姿は圧巻です。

天寧寺 五百羅漢像

高台にある天寧寺境内からは、彦根城もよく見えますが、ビルや看板がちょっとうざい…かな。

天寧寺から見た彦根城
天寧寺から見た彦根城

天寧寺以外の訪問地は、もう少し北の方、石田三成の居城、佐和山城があった佐和山の麓にあります。山際を直接歩いて行けるハイキングに良い道はないかと探しましたが、どうやらないようで、一旦彦根駅の方へ戻らなくてはなりません。

石田三成屋敷跡

駅の東側からは、高架下をくぐったり、近江鉄道の線路を踏切で渡ったりしながら集落に入ります。東山公園の近くにあるのが石田三成屋敷跡。佐和山の麓ですから、山上に城、麓に屋敷、という構造だったのでしょうか。

しかし、最初は気がつかずに通り過ぎてしまいました。説明を書いた案内板くらいはあるかと思っていたら、場所を示す石柱のみ。かつては二重の堀があり、城下町も作られていたそうですが、その面影は全くありません。

石田三成屋敷跡
石田三成屋敷跡

こちらは近くの公園横にある佐和山城模型。

佐和山城模型
佐和山城模型

清凉寺

清凉寺は彦根藩を治めた井伊家の菩提寺です。井伊直政(なおまさ)の墓所として開かれた曹洞宗の寺院です。井伊家の菩提寺だけあって、なかなか立派な寺院ではありますが、訪ねて面白いところではないかも。

彦根 井伊家菩提寺 清凉寺

龍胆寺

清凉寺の少し北にあるのが龍胆寺。ここは意外に面白い寺でした。清凉寺が明るく開けた感じであるのに対して、龍胆寺の入り口は木立に覆われ、ちょっと気味が悪いかも。

龍胆寺へのアプローチ

龍胆寺の中を拝観するのには、拝観料が必要なのですが、何と素敵な庭もあり、また、桃山時代の障壁画も残っているなど、なかなかのところではないですか。龍胆寺はあまり知られていませんが、お勧めです。

龍胆寺の障壁画
龍胆寺の障壁画
龍胆寺の庭園
龍胆寺の障壁画
龍胆寺の障壁画
龍胆寺の庭園
龍胆寺の庭園

大洞弁財天

龍胆寺の前の道をさらに北へ向かうと、井伊神社を経て大洞弁財天へ。正式名称は長寿院という、真言宗醍醐(だいご)派の寺院だそうですが、有名な弁財天像が安置されているため、大洞弁財天という通称で呼ばれているとか。弁財天像は撮影禁止のため、写真はありません。

建物の木彫などが有名なようです。

大洞弁財天の木彫

彦根城から見ると鬼門(北東)にあたるそうで、山門からは彦根城が遠くに見えます。山門になぜお狐さんがいるのかは不明。

実はこちらが大洞弁財天の正式な参拝ルート。門をくぐると長い長い石段が続いています。

大洞弁財天石段
大洞弁財天石段
大洞弁財天石段
大洞弁財天石段 秋の風景

見上げるとこんな感じ。

大洞弁財天石段
大洞弁財天石段

この石段の下にはJRの踏切があります。参道をJRが断ち切ってしまったんですね。ここから彦根駅までは徒歩20分ほどです。

彦根 天寧寺五百羅漢、清凉寺、龍潭寺、大洞弁財天(ハイキング・コース)

定光寺ハイキング

応夢山定光寺は愛知県瀬戸市の山中にある臨済宗妙心寺派の寺院で、最寄りの駅はJR中央線の定光寺。JR中央線で通過した人は多いと思いますが、山中のさびれた無人駅で、乗降客はわずか。「なぜこんなところに駅が?」と思われる人も多いのでは。

定光寺は尾張の鬼門にあたり、尾張徳川家の庇護を受け、尾張徳川家の初代である、徳川義直の墓、源敬公廟があり、国の重要文化財に指定されています。

この日の定光寺駅を起点とするハイキングコースも「日帰りウォーキング 東海 (大人の遠足BOOK)」に掲載されているコース。よくこんなコースを見つけたな、という気もしますが、一部は東海自然歩道になっています。

訪れたのは11月4日、紅葉にはちょっと早かったですが、それでも色づき始めた木々をある程度楽しむことはできました。

さて、JR中央線の定光寺駅で下車すると、そこは無人駅。駅周辺のお見せらしきものはすべて閉まっており、最近使われていた形跡もありません。駅近くのトイレも古そうで、とても使いたい気にはなりません。

出ばなをくじかれる感じですが、そこから踏み出して庄内川にかかる橋の上に立つと別世界。自然豊かな世界が名古屋駅からわずか30分の乗車で来られるところにあるのに驚きます。庄内川は名古屋の北側を流れていますが、時々洪水を起こす以外にぱっとしたイメージはないのですが、ここまで来ると渓流ですね。

庄内川

庄内川にかかる橋を渡ると、定光寺へ向かう車道もあるのですが、谷沿いに東海自然歩道が通っています。ハイキングですから無論、自然歩道を行きます。沢沿いの道はよく整備されていて、沢も小さなものですが、それなりに山の雰囲気が楽しめます。小さな滝もあります。

定光寺へ向かう東海自然歩道

30分ほど沢沿いに登ると道ばたに野仏が。東海自然歩道はここから右に折れて山の中に入ります。正面は池のある定光寺公園。定光寺は道を左へ進んだ先です。

モミジの紅葉に彩られた石橋を渡ると定光寺への参道。ずっと石段の登りが続きます。両側にはところどころに石仏が並べられています。車の人は定光寺の脇まで直接行くこともできますが、やはり参道を登るのが風情がありますね。

定光寺の参道

ひたすら石段を登り、わりにこじんまりとした山門をくぐると、定光寺の境内。正面には本堂が。本堂はどこか鎌倉時代の寺院を思わせる作りです。定光寺とさほど遠くない虎渓山永保寺は鎌倉時代の創建ですが、定光寺は1336年創建。鎌倉時代が終わり、南北朝時代に入る頃ですね。本堂は重要文化財に指定されています。

定光寺本堂
定光寺本堂

定光寺の境内は、尾張徳川家ゆかりの寺という割には小さいですが、古刹ですから風情はあります。

定光寺本堂
定光寺本堂
定光寺境内のお堂

徳川義直の墓、源敬公廟を見るためには入場料100円が必要です。こちらも重要文化財ですからもちろん見学して来ました。本堂脇の小さな門をくぐると参道が続きその突き当りに廟があります。参道途中にある獅子門も重要文化財。

源敬公廟自体は柵に囲まれていて近づくことはできません。

源敬公廟
源敬公廟

定光寺を出たら、東海自然歩道まで戻り道を進みます。落葉樹が多い気持ちの良い山道が続きます。

定光寺近くの東海自然歩道
定光寺近くの東海自然歩道

道は定光寺自然休養林の中を通り、1時間ほど歩くと森林交流館という施設があります。訪れた時には閉まっていて人気がありませんでした。森林交流館を中心に遊歩道が整備されています。この中の「まなびの径」をたどります。

途中分岐などが沢山ありますが、必ず看板が出ているので、それをたどると1時間半弱で愛知環状鉄道の中水野駅に出ます。この間の山道は、車道が並行しているところもあり、山奥という感じではありませんが、自然が楽しめる整備された気持ちの良いハイキングが楽しめます。

虎渓山永保寺と多治見市内ハイキング

名古屋からは中央線でほど近い、岐阜県多治見市。美濃焼の町として知られていますが、日本一暑い町としても最近有名になりました。暑いのはかないませんから、晩秋に近い、11月12日にハイキングのつもりで訪れました。

ハイキングと言っても、JR中央線多治見駅の周辺は都市です。特に観光地もありませんし、車が行きかう道の歩道をしばらくはひたすら歩きます。最初の目的地は虎渓山永保寺(えいほうじ)。国宝の建物があり、紅葉で有名なお寺です。

多治見駅から永保寺へ向かう途中にあるのが、虎渓窯という美濃焼の窯元。メインの道路から急な坂道を上がった丘の上にあります。看板に導かれて行ってみましたが、しんとしていて誰かいるのかいないのかもわからない状態。そのまま降りてきました。

虎渓窯
虎渓窯

さらに交通量の多い道を進みますが、永保寺に近づくに従い、林が増えてきます。かつてこの辺りは樹林におおわれた丘陵地だったことを伺わせます。色づく木々を愛でながら歩きます。

紅葉
紅葉
紅葉
紅葉

そして見えてきた虎渓山永保寺の石柱。ここまで多治見駅から徒歩30分ほどでしょうか。

虎渓山永保寺石柱
虎渓山永保寺石柱

いよいよ永保寺です。寺院が並んだ道を進んでいくと、目の前に現れるのは古風な寺院と紅葉。これが国宝に指定されている観音堂で、鎌倉時代末期の建物です。

虎渓山永保寺観音堂
虎渓山永保寺観音堂

永保寺庭園の方に入っていくと、そこは別世界。まさに極楽浄土と思うくらい美しい世界が広がっていました。美しい日本庭園、紅葉を映す池、そして古風な寺院。超フォトジェニック。いや、今風に言えば「ばえる」風景が広がっています。

虎渓山永保寺観音堂と紅葉
虎渓山永保寺観音堂と紅葉

庭園周辺の紅葉も、どこをどう切り取ろうか迷うくらい美しいです。永保寺は期待以上!

虎渓山永保寺の紅葉
虎渓山永保寺の紅葉
虎渓山永保寺の紅葉

そしてもう一つの国宝が開山堂。1352年にできたとされています。柵があって近づくことができませんから、紅葉に開山堂を含めた一枚。開山堂は隠れた位置にあるので、うっかりしていると見逃してしまいかねません。

虎渓山永保寺開山堂
虎渓山永保寺開山堂

永保寺を堪能したら、今度は多治見の市街へ向かいます。永保寺の西参道を通って虎渓公園の方に出ようと思ったのですが、西参道がわかりにくい。永保寺の境内には地図もないですし、しばらく迷ってしまいました。

西参道には一定の距離ごとなのか、道ばたに石仏が並んでいます。

永保寺西参道の石仏
永保寺西参道の石仏

虎渓公園はさほど見るべきものもなく、パス。

虎渓公園
虎渓公園

次の目的地はカソリックの修道院です。正式には神言会(しんげんかい)多治見修道院。1930年設立の本格的な修道院で、建物も西欧風。周辺にはブドウ畑もあって、かつてはここでワインも作っていました。今は外部に委託しているとか。礼拝中でなければ聖堂の中も見学できます。

多治見修道院
多治見修道院

修道院の売店では、ワインやクッキーなどを販売しているのですが、行ってみたら誰も人がおらず、購入は諦めました。

さてここからは、だんだんと街歩き。美濃焼のお店やギャラリーが立ち並ぶ本町オリベストリートへ。ここで抹茶茶碗を物色。モダンな建物のギャラリーもあれば、古民家を使ったショップもあり、焼き物に興味がある人なら楽しめます。

本町オリベストリート
本町オリベストリート
本町オリベストリート
本町オリベストリート
本町オリベストリート
本町オリベストリート

ギャラリー併設のカフェで遅めの昼食を取ったら、多治見駅へと戻ります。その途中に通過するのが、多治見の古い商店街である、ながせ商店街。まるっきり昭和。自分が生まれた昭和の街並みが、文化遺産のように見えてしまうのはちょっと悲しい気もしますが。

多治見ながせ商店街
多治見ながせ商店街
多治見ながせ商店街
多治見ながせ商店街

商店街を抜ければ、多治見駅はすぐです。

祖父江のイチョウ

愛知県稲沢市の祖父江(旧祖父江町)は銀杏の生産地として有名です。年の生産量は200トンを超え、銀杏の国内生産の約30%を占めるとか。

銀杏が200トンも取れるということは、それだけの実をならせるイチョウの木がある、ということ。当然と言うか、祖父江はイチョウの木の紅葉(黄葉)でも有名です。毎年秋になると、イチョウ祭りが開催されています。

ところが2020年はご承知のようにコロナ禍。残念ながらイチョウ祭りも中止になってしまいました。祭りはありませんが、人出がない方が良いだろうと、勝手にイチョウを見に出かけたのが11月18日。誰もいないかと思いきや、混雑はありませんでしたが、他の見学者もちらほら。

祖父江のイチョウを見るのに良い場所は、名鉄尾西線玉野駅から山崎駅のあたり。名鉄一宮駅から赤い名鉄電車に乗って出かけました。

名鉄電車内からの風景 山崎駅まで

山崎駅で下車すると、周囲はイチョウの木だらけ。時期的に今年は色づきが同時に来なかったそうで、まっ黄色の木もあれば、ちょっと緑を残す木もあり。

またこの辺りのイチョウは銀杏を収穫するために背を低く剪定されていますから、「〇〇の大イチョウ」みたいな大木があるわけではありません。

祖父江のイチョウの木
祖父江のイチョウの木
祖父江のイチョウ

ブルーシートがイチョウ林の下に敷き詰められているのを多く見かけますが、これは銀杏の実をブルーシートに落として一挙に集めるためのもの。写真的にはちょっと、ですが、観賞用のイチョウではありませんから。

祖父江のイチョウ

松尾寺遺跡と松尾寺山ハイキング

以前醒ヶ井宿から醒ヶ井養鱒場まで歩いた時、醒井楼というお店の奥にある松尾寺を尋ねました。そこの御住職から聞いたのが、かつては山の上にあった松尾寺の話。今は遺跡となり、ハイキングコースになっているけど、夏はヒルが出るので冬が良いとのこと。元々遺跡の旅というサイトを持っているほど遺跡が好きな私は、冬が来るのを待っていました。そして「もうそろそろヒルも出ないだろう」と松尾寺遺跡を訪れたのは2020年12月7日。

ちなみにこの松尾寺山は、関ケ原古戦場にある小早川秀秋陣跡の松尾山とはまた別の山です。

松尾寺遺跡に登るには旧参道を通るルートが東と西にあるようです。西の参道は旧中山道の番場宿が起点になるようですが、番場宿には鉄道が通っていません。できる限り公共の交通機関を使いたいと思っているので、醒ヶ井宿から入る東側の参道からたどることにしました。

松尾寺遺跡トレッキングマップ(ダウンロードはこちら)を前回醒ヶ井に行った時に手に入れていたのでこのマップを頼りに歩くことにしました。しかし、この地図結構大雑把で、見どころの位置関係などもいい加減。若干不安になりながらも「昔ながらの参道だから、見どころを見落とすことはあっても、山中で道に迷うことはあるまい」と勝手に考えて出かけました。

醒ヶ井駅から醒ヶ井養鱒場の方に向かって車道を歩き、途中の坂口という集落に入って林道を進み、そこから参道に入ります。坂口の集落には古そうな民家が並んでいます。

坂口集落 松尾寺遺跡参道の入り口
坂口集落 参道の入り口

集落を抜け、林道をしばらく歩くと、左側に参道、と言っても普通の山道のような道が分かれています。案内標識が整備されていますから、迷うことはありません。

参道への入り口。ヒルに注意が嫌な感じ。

山道はいきなり急登が続き、結構しんどいですが、間隔を置いて丁石(ちょうせき)が置かれています。丁は昔の距離の単位で、l丁は約109mとされていますが、ここの丁石の間隔はもうちょっと離れているような気もします。この参道に置かれた丁石は室町時代のものが最も古いそうですが、だいぶ失われています。江戸時代のものは全部残っているそうです。

丁石。これは室町時代のもの。

一丁目から始まり、二丁目、三丁目と続いて、本堂跡は十二丁目にあたります。ずっと急な登りが続きますが、初冬で山道には陽が結構入り、また残った紅葉も美しく、なかなか快適です。汗をかくと冷えるので、落ち葉を踏みしめながら、なるべくゆっくりと登ります。

松尾寺遺跡の紅葉

黄色いのは多分コナラ

登っていくと一番最初に現れるのは一本杉と呼ばれる大杉。根元に石像が置いてありますが、元々あった石仏が杉の成長と共に、根元に飲み込まれていったとか。真偽のほどはわかりませんが、そのおかげでこの木を切るのはタブーになったとか。

松尾寺遺跡の大杉

さらに進むと、今度は右側に六地蔵。ここは実は分かれ道にもなっているのですが、落ち葉が積もっていてわかりにくい。六地蔵は仏教の六道(畜生道とか)に対応して六体あるのだとか。そして通常墓地の入り口などに置かれるとか。そこでこの辺りはかつて松尾寺の墓地があった場所と考えられているそうです。

松尾寺の六地蔵
松尾寺の六地蔵

この辺りには他にも石像があり、その中でも必見は毘沙門天像。岩陰に置かれた毘沙門天は、小さなものですし、道を離れた斜面にあります。しかも、看板も出ていませんから、うっかりしていると見落としそうです。

松尾寺遺跡 毘沙門天像
松尾寺遺跡 毘沙門天像

この辺りまで来ると、道沿いに石垣が出てきます。石垣の上には建物があったのでしょうか。石垣があると、一挙に遺跡ぽくなりますね。

松尾寺遺跡の石垣
松尾寺遺跡の石垣

この辺りまで来ると急登は終わり、なだらかな道になります。しばらく進むと一本橋。どうも俗界と聖域を分ける橋のようです。言われなければ、単なる道に置かれた石ですが。松尾寺遺跡には七不思議と呼ばれるものがありますが、これもその一つ。誰が選んだ七不思議かはわかりませんし、特に不思議でもありませんが。

松尾寺遺跡の一本橋
松尾寺遺跡の一本橋

さらに進むと、寺の伽藍があった地域に到達します。足元には瓦や石、そして石垣があちらこちらに。どこにどのような建物があったのかの案内看板もあります。でもそれより紅葉が美しい。

松尾寺遺跡
松尾寺遺跡

ここから本堂へは石段を登ります。

松尾寺遺跡の石段
松尾寺遺跡の石段

そして本堂跡。礎石が並んでいます。発掘の結果、平安時代くらいからの遺物が出たとか。歴史のある寺ですね。でも、この寺が廃墟、遺跡になったのは昭和に入ってからとのこと。

松尾寺本堂跡
松尾寺本堂跡

こちらは重要文化財の九重石塔。重要文化財と言ってもなかなか訪れる人はないでしょうね。

松尾寺遺跡の九重石塔
松尾寺遺跡の九重石塔

さてこの後は、残りの七不思議を周ろうかと歩き始めます。まずは本堂に近い挟み岩。不心得者は挟まれて動けなくなるとか。要は道が岩の間を通っているだけなんですが。

松尾寺遺跡の挟み岩
挟み岩

役行者の斧割水(よきわりすい)というのは看板は見つけたものの、どこがそれに該当するのかわからず。伝説では昔役行者が斧で岩を割ったところ、そこから水が湧き出し、寺の水場になったとか。

続いて影向石(ようごうせき)に向かいます。影向というのは神仏が姿を現すことで、昔この岩に二体の仏像が飛来したとか。この仏像は現在の松尾寺本堂に安置されていて、秘仏ですから通常は見ることができません。

さて影向石。これがまたわかりにくいところにあります。本堂の右から松尾寺山頂に向かうかすかな道跡をたどると、左側に影向石の案内標識。ところが道らしいものは…目を凝らすと、かすかに踏み跡のようなものが。慣れた人でないとこれが道だとはわからないかも。

この辺りは影向石のほかにも岩が多く、また松尾寺の本堂も岩場に隣接して建てられていますから、きっと古くから磐座として信仰を集めていた場所だったんでしょうね。日本の山岳地帯にある神社仏閣はそのようなところが多いですね。

松尾寺遺跡の影向石
松尾寺遺跡の影向石

続いて向かうのは松尾寺山の山頂とその近くの夫婦杉。山頂までは緩いのぼりが続きます。松尾寺山山頂は樹林の中にありますが、初冬ですから落葉していて気持ちいいですね。樹幹から琵琶湖方面の風景も見ることができます。

松尾寺山の山頂
松尾寺山の山頂

夫婦杉は途中から枝分かれした杉のこと。昔弘法大師が松尾寺に参詣した折に、弁当の箸をこの地にさし、それが杉の木になったとか。ちょっと樹齢を考えると話が合わない…と突っ込んではダメですね。伝説なんですから。

松尾寺山の夫婦杉
松尾寺山の夫婦杉

しばらく山頂を散策したら、次に鐘鋳り塲を目指します。昔、寺の鐘を鋳造した場所とのこと。これまたどう見ても単なる斜面のくぼ地なんですが、ここまで行く道がまたわからない。目を凝らしても分かれ道が分からず、適当に尾根を下ってたどり着きました。くぼ地の中央にある石は亀石と呼ばれているそうですが、言われれば亀に見えます。言われなければ…

松尾寺遺跡の鐘鋳り塲
松尾寺遺跡の鐘鋳り塲

現在の松尾寺に保管される飛んできた仏像(御開帳日以外は非公開)を除くと、これで七不思議は終わり。斜面の道なき道を下っていくと、踏み跡らしきものが見えてきて、六地蔵のところに出ました。登り始めてから3時間くらいの行程でしょうか。あとはひたすら下ります。

行ってみての感想は「紅葉はきれいだし、歴史・文化も面白い。ちょっとした探検気分」でお勧めです。でもこの季節、晩秋から初冬にかけてがお勧めで、暑い時期はヒルも出るし、避けたほうが良いでしょう。

多度山でハイキング

2020年12月9日に、三重県桑名市の多度山にハイキングに行ってきました。多度山は有名な多度大社の上にある、展望の良い山で、養老山地の南端にあたります。

名古屋駅から桑名駅まで近鉄で。そこから養老鉄道に乗り換えて20分かからないくらいで多度駅に到着。多度大社は駅の近くかと思っていましたが、そうではないんですね。歩くと20分くらいかかります。

さて、多度山に登るには、主に3つのコースがあります。眺望コース、健脚コース、そして瀬音の森コース(詳しくはこちらを参照)です。もっとも一般的な眺望コースはどうも作業用の車道を登るルートのようなので避け、登りは健脚コース、下りは瀬音の森コースを選択しました。

多度駅から多度山方向に車が通る道(多度大社への参道)を歩き始めると、しばらくして右側に何やら古めかしい民家が。どうやら伝統的な鯉料理のお店、大黒屋です。風情のある造り。でも僕は鯉料理は好きではないのでパスです。

多度 鯉料理 大黒屋
鯉料理 大黒屋

大黒屋のすぐ隣に小さな鳥居が立っています。その鳥居をくぐって右折すると、整備された歩道。この部分は「いにしえコース」と名付けられたハイキングルートですが、ごくごく短く、少し上にある愛宕神社で終わりです。

愛宕神社への道 いにしえコース
愛宕神社への道
愛宕神社 多度
愛宕神社

愛宕神社はさして見どころがあるわけでもなく、登山道(健脚コース)は愛宕神社のすぐ左側から始まります。

健脚コースを通って多度山山頂へ

多度山健脚コース
多度山健脚コース

多度山健脚コースはほとんど直登するような道で、長くはないですが急です。このため「健脚コース」という名前が付いていますが、本格的な登山をする人が想像するような厳しい健脚ルートではありません。ただひたすら登るだけ。最初は植林地の中を、階段状に整備された道を登ります。

多度山健脚コース
多度山健脚コース 多度神社の石標

次第に道は山道になり、片側が広葉樹林となります。乾燥しているせいか、背の低い森ですが、写真のように多度神社の石標が立っているところを見ると、神社の所有地として保護されている部分が広葉樹林として残っているのかもしれません。

多度山山頂からの眺望

多度山の山頂部は平たん地になっており、多度山上公園という公園があるほか、通信設備などが置かれています。通信設備や送電線があるおかげで、結構車道・林道が上の方まで入っています。

山頂公園からの眺望は素晴らしく、濃尾平野が一望。我が家からも多度山が見えるので、多度山から我が家が見えるかと目を凝らしましたが、さすがにそれはちょっと無理。ただ、名古屋駅周辺の高層ビル街はすぐに確認できました。

多度山山頂から瀬音の森コースへ

多度山山頂からは北上する道をたどって瀬音の森コースへと入ります。北上する道を真っすぐに進むと養老山脈の縦走ルートです。瀬音の森コースへは途中道標に従って左(西)へと入ります。すぐ下り道になるのかと思ったら、意外と登りが多い道です。

養老山脈を北上する分かれ道
養老山脈を北上する分かれ道

瀬音の森コース、と聞くと、瀬音が聞こえる沢沿いの道を誰しも想像すると思いますが、実はこのコースはそうではありません。沢沿いに来るのは最後の少しだけ。長い間山腹を歩く道が続きます。結構長いですし、結構退屈です。途中には見るべきものはほとんどなく、ひたすら歩くだけ。

多度山 瀬音の森コース
多度山 瀬音の森コース

途中紅葉した山が見られますが、この辺りは常緑樹が多いので、紅葉の名所とはとても言えませんね。残念ですが。ひたすら歩き続けてやっと谷に沿う道に出ます。この谷が多度渓谷。

多度渓谷
多度渓谷

多度渓谷はそれなりにきれいな水が流れています。川遊びができる施設も整っていますが、でも渓谷美をめでるほどのところかと言うと…ほかに行った方がいいかな。

多度大社へ

さて、多度渓谷から多度大社へ向かいます。多度大社は上げ馬神事で有名な神社です。山中に多くの岩場や磐座が残っているそうですから、起源は相当に古いはず。後に神道の体系に組み込まれたのでしょうね。

多度大社 上げ馬神事
多度大社 上げ馬神事

上げ馬神事に使う場所は、境内に入ってすぐのところでした。

津屋川のヒガンバナ

2020年10月1日に津屋川のヒガンバナを見に出かけました。津屋川は岐阜県の養老山脈の下を流れる川で、養老鉄道美濃津屋駅近くの堤防沿いに地元の人たちが育てた見事なヒガンバナを見ることができます。名古屋周辺のヒガンバナは半田市のものが有名ですが、津屋川のヒガンバナは、半田のヒガンバナよりもより自然な感じがして見ごたえがあります。

津屋川には自家用車でも行くことはできますが、駐車場の台数が限られていますから、今回はJRで大垣駅へ出て、そこから養老鉄道に乗り換えて美濃津屋駅へ向かいました。

養老鉄道

美濃津屋駅は無人駅。最近自家用を使わずに、ローカル鉄道で移動することにしているのですが、無人駅が多くて正直驚いています。

美濃津屋駅を降りたら、津屋の週略の中を抜けて、まずは天然記念物のハリヨの繁殖地の見学に。と言っても、天然のハリヨですから、水そうで泳いでいるわけではなく、見ることはできませんでした。

さてこちらがヒガンバナ。Facebookにアップロードした360度画像をシェアしてあります。マウスや指で操作するとぐるぐる回してみることができます。

動画はサイズが大きすぎてアップできませんでしたのでFacebookからの貼り付けです。

そして360度動画。これもFacebookにアップしたものの埋め込みです。

能登半島輪島 白米千枚田

能登半島の輪島の街並みを抜け、さらに能登半島の先に向けてしばらく進んだ海岸沿いに白米千枚田はあります。日本各地に千枚田と呼ばれる棚田はありますが、ここの凄さは海との近さ、そして視界に入るスケール。

千枚田の上、全体を見渡せるところに道の駅があり、車を停めて千枚田に降りて行くことができますが、一番下まで行ってみると、本当に海岸ぎりぎりのところまで田が作られていて驚きます。

輪島まで行かれたら、ぜひ足を延ばしてみてください。一見の価値ありです。私たちが訪れた時はまだ代搔きも始まる前だったのでちょっと殺風景ではありましたが。

金沢兼六園 Kenrokuen Park in Kanazawa

金沢兼六園には、と言うか、今の歳になるまで金沢に行ったことがありませんでした。宿泊していた白鳥路温泉 金沢白鳥路ホテルは金沢城のすぐ近くで、兼六園にも徒歩で行けます。

日本三大庭園というものの、兼六園も大したことはないだろうと思っていたのですが、行ってみたらとんでもありませんでした。細部に至るまで計算しつくされた庭園デザイン、そして手入れ。スケールの大きさ。うーん。これは日本一の庭園ですね。季節を変えて再び訪れたいです。

投稿 by 昇龍道.

茶臼山高原でリフトに乗る

設楽オートキャンプ場で一晩過ごした翌日は、キャンプ場の管理人のおじさんに近くの観光地を聞いて、茶臼山高原へ向かいました。茶臼山高原道路は有料道路と聞いていましたが、実際には料金所はなく、無料化されたようです。

アップダウンやカーブの多い道ですが、山の上の道はドライブには快適。しばらく走ると冬はスキー場となる茶臼山高原に到着します。早速リフトに乗り山上へ。

茶臼山

リフトが初めての子どもたちは大はしゃぎ。山頂には芝桜が植えこまれていて、一週間前に来ていたらまだきれいだったとか。この日は既になごりがあるだけでしたが、幸い天候にも恵まれ、楽しめました。長男には今回の旅行でリフトに乗ったのが一番印象に残ったようです。

茶臼山の地図