アブラムの里

アブラムの宿

アブラムの宿というのは、キリスト教の牧師さんである大郷博先生が休職して始めた宿です。場所は岐阜県国府町。宇津江四十八滝というこの辺りでは有名な県立公園のすぐ近くにあります。大郷先生が町から土地を買い取り、山の斜面を開拓し、古い民家を移築して始めた宿です。そうした経緯などは大郷先生の著書『 アブラム物語』を参照ください。

実は大郷先生とは学生時代にボランティア関係で出会って以来の再開。20年以上も前に会ったきりでした。お互いに頭に白いものが混じる年齢になってしまいましたが。

アブラムの宿

さてアブラムの宿は、この地に移築された飛騨地方独特の古い民家二棟からなっています。なんでも移築の時に分解した棟書きによると、その内の一棟は赤穂浪士討ち入りの翌年に建てられたものだとか。今はもちろん古い農家の柱や梁など枠組みを生かしながら、二重窓を入れたり、風呂をつけたり、広いホールを作ったりと、かなりモダンなつくりになっています。

右側がその一棟の内側ですが、直線の梁や柱がむき出しになったところに丸い照明、そして床はフラットに間仕切りも外して広いホール空間が確保されています。この部屋の音響効果がまた素敵なんです。大郷先生がかけてくださったのはインドラ・グルンというネパール人が吹くバンスリ(竹笛)のCDでしたが、うっとりでした。ここでは時折コンサートなども開かれるそうです。

ここでの食事は、宿泊客が一同に介し、大郷先生も混じって大きな一枚板のテーブルで食べます。宿のご主人も、いろいろなお客様も混じって交流するのがここのスタイル。プライバシー重視で自分たちだけで静かに過ごしたい人たち向けの施設ではありません。

周辺には畑や田んぼ、そしてシイタケの栽培までしていますし、この時期は山菜の取れるシーズン。早速ワラビを宿の周りで摘んできました。

アブラムの宿

この晩は大郷先生や、他のお客さんと話しこみ、大郷先生が提供された泡盛まで出てきて、深夜まで過ごしてしまいました。

翌朝さすがに標高600メートルを超える山の中は冷え込みますが、空気はさわやか。みんなでシイタケの収穫をしてから左の写真)近くにある宇津江四十八滝に散策に出かけます。宿から歩いて10分ほどでしょうか。でも四十八滝は、その名の通り滝が連続している渓谷で、標高差は400メートルあるそうです。2歳児の足では無理だったので、ちょっと大きめの滝があるところから引き返してきました。

その間、大郷先生は、蕎麦をうってくださいました。大郷先生の蕎麦は、白川郷に毎週片道1時間かけて修行に通って身につけたもの。使われている蕎麦粉も白川郷で取れた高級品。中国産の10倍も高い粉です。昼食にご馳走になったその蕎麦の味は、いや驚きました。「これが蕎麦だったのか!」という感じ。いつも食べているものは何なんでしょうね?下手においしいものを食べてしまうと他のものが食べられなくなりそうです。

アブラムの宿への連絡は電話で 0577-72-4219 です。インターネットでは予約できません。メールはありますが。

女房も大いに気に入り、子どもたちも宿の中ではしゃげまわれて大喜びのアブラムの宿でした。今度帰国してきたらまたお邪魔しようと思います。

またセミナーなどに使える大きなホールもありますから、その利用も考えているのですが、ネックは交通機関でしょうか。名古屋方面からだと車なら東海北陸自動車道、電車なら高山本線の特急で飛騨古川か高山まで来れば良いのですが、東京方面からとなると、鉄道だと名古屋まで新幹線で来てから乗り換えないといけません。うーむ。


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“アブラムの里” への2件のフィードバック

  1. […] お昼過ぎにアブラムの大郷先生に別れを告げて飛騨高山に向かいます。飛騨高山は言わずと知れた小京都と呼ばれる観光地。5月5日のこの日も祭りが行われており、町の中心は車がびっ […]

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